歩道橋

夢の中でも夢を見ながら

いろんなことが終わっていった

自分で髪を切っている時

この世の全部が不思議に思えた


僕らはただの現在で

きっと眠っているのと同じ

何処か遠くで上がった花火が

空っぽのままふっと笑った


あの人はもう詩を書かない

僕も素面では踊れない

夏が来て緑の傘を買ったら

好きな映画の台詞も忘れた


明るい部屋に響く咀嚼音

ここではない何処かへ

歩く乾いたその靴の音

歩道橋がまだ続いている